メールチェック、仕事、時間の使い方

昨日、日経ビジネスオンラインのメールにリンクが付いてくる、IT Proの連載、「ダメな”システム屋”で終わりますか?」を読んだ。

今回は、具体例ではなく、時間の使い方、フレックスなど就業規約的なものなどいつもと若干違った。

で、コメントも読んで気になったのが、メールチェックについて。

筆者は、メール処理をバッチ式にしていて、朝の始業(9:00)前、昼休み後、終業前と3回だけやってあとは業務に集中するという。アウトプット重視戦略だ。個人的には頷ける点もある。

コメントには、緊急のメールがあったらどうするのか?などというツッコミもあった。

で、メールについての、特に返信に対するレスポンスのタイミングへの要求度(要するにどれだけ速く返して欲しいかということ)は世代によってかなり違うのではないか?ということを考えた。

パソコン通信の時代に閉じた中でメールを使っていた人間は、当時は接続時間はそれだけ同じ電話の通話料金を取られていたから(テレホーダイ前、テレホーダイ後であっても23:00以降という制限アリ)、リアルタイムにメールに返事が戻ってくるということは全然期待していなく、良くて翌日、毎日やらない人もいたから、そのうち来るか?という印象だった記憶がある。というよりネットだけの知り合いならそういう密度の付き合いだったし、リアルで連絡取れる人間で急ぎだったら電話だったり直接あったりしていた。

インターネットの時代になっても、フレッツISDNやADSLが普及するまでは回線使用料は変わらないので時間の問題は変わらず。また、パソコン通信の時代から劣化したものとして、インターネット黎明期には「電子メールは確実に即時には届かない」という問題もあった。ルーティングの問題、今ほどサーバの信頼性の高くない時代、バックボーン回線だって今ほど太くない。NIFTY-Serveからインターネットにメールが出せる(ゲートウェイサービスなどと言っていた)といって先輩の大学のアドレスに送ったりしてもタイムラグが発生したりしていたものだ。

まぁ、ある意味呑気な時代だったわけで、このくらいまでの時代だったら、仕事でメールを使うことがあったとしても、バッチ処理方式でなんの問題もなかったと思うしケチを付ける人もいないだろう。

状況を一変させたのは携帯メールの登場だ。即時に届くし、PUSH式で相手にゴリ押しでメールの到着を通知する。さらに端末は常に身につけているというし回線はほぼ常時接続というある意味「悪質な?」しばり状態。それまでメールはPCを準備しなければ、回線をつながなければ、自分で取りに行かなければ読めなかったものが、契約していれば強制的に読まされるものへと変わったのだ。これが価値観の変化を呼んだのだろう。

私は携帯より前からメールを使ってきているので、即答にはそれほど重要性を感じていない。メールは相手の時間を縛るツールではなく、相手に、相手の都合のいい時間に読んで内容を処理してもらって、何かをしてもらうなり返事してもらうなりするモノだと思っているからだ。

だから、受信したら即返信しなければいけないというような携帯世代の考え方は理解出来ない。

仕事のメールで、5分で返事を返さなければいけないような内容を、メール(だけ)で送るとしたら送るほうが悪いと思う。それなら電話なり、事前の打ち合わせなりが必要だろう。メールで○日の△時に資料を送るから、受け取ったらとりあえず返事をください。その時間に届かなかったら一報ください、などと。

だいたい、1時間に10通、ゴミも含めて届くような人がいたとしたら、5分から6分に一度、メールチェックしていることになる。これでは何も生産的な仕事はできない。半分だとしても10分に一度だ。仕事になどなるものか。

大事なのは、実のあるアウトプットを出すことであり、そのためには集中して作業することであろう。休憩も必要であろうが、時間を細切れに使い過ぎれば効率が落ちるのは目に見えている。それだけは確実だ。

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