東京メトロの「不親切さ(悪口)」を書いてみる

数年前の話だけれども、事実を書いてみる。時間のある方は路線図を見ながら読んでいただきたい。

私が、東京メトロ東西線・妙典駅の近くでアルバイトをしていたときのことだ。帰宅しようと駅に向かうと、駅には千代田線でトラブルがあり、運転を見合わせているという情報が電光掲示板に流れていた。私の自宅の最寄駅は東京メトロ・千代田線綾瀬駅なので、最短(最楽)経路は妙典ー大手町ー綾瀬という経路であり、そのルートで通っていた。ただ、不定期アルバイトのため定期券は持っていなかった。

千代田線が動かないとなると、大手町まで行っても足止めを食らう。最初に頭に浮かんだのは、妙典からなら西船橋が近い。西船橋に出て、武蔵野線ー新松戸で常磐緩行線という反時計回りの大回りルートだった。常磐緩行線が走っていて、千代田線の復旧に時間がかかるならペイするだろうという予想。鉄道ファンならではだろう。

駅員に聞いてみた。しかし、状況が全く把握出来ていない。昔であれば、運行トラブルが発生した場合は各駅で発着の管理、信号操作などを行っていたから駅員がそれなりにトラブルからの復旧についても自社線内なら把握していた。しかし、今はCTCから発展して、運転指令所がそれらを全て行なっている。駅に流れている情報は指令所が飛ばした情報が表示されているだけで駅員は関与していない。だから、駅員が知っている情報はほとんど乗客が知っている情報と変わらない。

仕方ないので、いつもどおり、東西線に乗って都心方面に向かった。復旧を願って。しかし、情報は入ってこない。まぁ、東京メトロに限らずトラブル発生の情報は知らせても復旧の情報は流れてこないものだ。

で、茅場町駅の手前で地下鉄路線図が頭に浮かんだ。日比谷線、乗り換えて北千住、千代田線に乗り換えて一駅で綾瀬、千代田線がダメでも一駅ならなんとかなる、日比谷線に乗ってる時間で復旧するかも、という瞬時の思いつきで、ドアが閉まる寸前に飛び降りた。

しかし、東西線から千代田線に乗り換えるために一番前に乗っていたのが裏目に出た。東西線から日比谷線に茅場町で乗り換えるには後ろの方に乗っていなければいけない。10両編成ほぼ丸々分、200m強(通路分足される)歩くことになった。

たしか、土曜日だったと記憶しているので通勤ラッシュではなかったので大きな混乱はなかったがとりあえず日比谷線で北千住に出て、千代田線のホームに行くと千代田線は復旧していて無事自宅最寄り駅綾瀬に辿りつけた。

で、どこが問題か、というと、最初の妙典駅員と会話をしたタイミングである。私は自動改札を通過したPASMOを見せ、千代田線を利用したいことを告げ、西船橋周りはどうか?と聞いた。確かに聞いた。だが、プロならば、そこで、茅場町経由のルートを提案できなければおかしいのではないか?と思うのだ。定期券利用者ではないからルート縛りがない。なんの問題もない。東京メトロの駅員であれば自社路線の路線図くらい頭に入れておき、迂回ルートの提案くらいできなければおかしいと思うのだ。

何のために網目のように路線網を構築しているのか?混雑緩和だけではなく障害時の迂回ルートの意味だってあるはずだ。ネットの冗長構成のように。国鉄が、東北本線がダメなら常磐線、奥羽本線、上越線・羽越線を使って上野と青森を結んだように、その路線をフル活用できるようになっていなければいけないのである。

私の場合は自力で茅場町で思いついたからよかったかもしれないし、思いつかなくても大手町まで行ってしまっても千代田線が既に動いていたかもしれない。それはわからない。

ただ、東京の地下鉄は鉄道ファンやすべての路線をその乗り換えの難易度を含めてすべて知り尽くした人ばかりが使うものではない。常に全路線が機能しているとも限らない。その時その時に、その人その人への最善の使い方を提案していかなければいけないと思うのだ。そしてその立場にあるのが駅員であると思う。別に定期券を売ったり、事務処理したり、切符が詰まった券売機や自動改札機の処理だけをしていればいいわけではない。接客するのは駅員しかいない。

まぁ、たまたま、私がハズレ駅員と遭遇した、という話であってくれればいいのだが、猪瀬直樹氏の「地下鉄はだれのものか」を読んでみると東京メトロの駅員はそういう意識が低いような気がするんだよなぁ?

蛇足だが、私が、足を怪我しているときに、都営三田線から営団(当時)千代田線に日比谷駅で乗り換えようとした時、もう20年近く前のことだが、怪我を見かねた東京都交通局の駅員さんは、「千代田線なら大手町のが近いです、ここ(日比谷駅)だとかなり遠いですし階段もキツイですよ」と親切に案内された。そして私はホームに戻り大手町駅で、より短い距離で楽に千代田線に乗り換えることができた。

コメント

  1. かぢ より:

    送られてくる情報を知らせてはくれるけど、「だからこうしたほうがいい」と教えてくれる駅員は少なくなりましたね。
    広島ではJR・バス・アストラムラインしか手段がないので迷いようもないですが。
    小学生のときに横川駅(山陽本線・可部線)へ社会見学に行ったとき
    質問攻めにしたにもかかわらずスラスラと答えてくれた駅員にあこがれて
    「国鉄職員になりたい」と思ったのですが。
    どんな仕事にもこだわり・プロ根性を持っていただきたいものです。