昨日に続いて地下鉄ネタ。
猪瀬直樹氏の「地下鉄は誰のものか」で九段下駅が例として出されていて、半蔵門線と新宿線のホームが壁一枚で隔てられただけの位置関係にある、と指摘している。
私は九段下駅の工事については調べていないので、この件についてはわからないのであるが、東京メトロ(営団地下鉄)の「半蔵門線建設史」という正史があるはずなのでそれを見ればなにかがわかるかもしれない。
というのも千代田線の工事で似たような事例があるからだ。
千代田線と三田線、大手町から日比谷駅まで並走している。これは乗っても、路線図を見ても、地図を見ても、地下通路を歩いてもわかる自明な両線の位置関係だ。ただ、三田線が大手町と日比谷の2駅しか設置していないのに対して、千代田線が間に二重橋前という駅を設置したので駅の位置が千鳥配置になってしまっているので乗り換えが若干不便だし、地上戦の複々線区間のようなイメージではない。
蛇足であるが、千代田線二重橋前駅はJR京葉線東京駅に近い。
で、この区間は日比谷通りの下を結果的には複々線のトンネルを、掘り、5つの駅(全部島式ホーム)を設置し、地下通路でつなぎ、大手町駅の地下通路は他の路線ともつながり、日比谷駅では日比谷線とつながり、その先銀座駅まで地下通路がつながっている。(有楽町線は建設順序の関係で割愛)
ということで、昭和40年代に開業した両線の工事を複数回同区間で行うわけにもいかなかったようで、東京都が一括で行った、という記録が残されている。その工事は東京都交通局側で行ったらしい。駅の設置位置と、トンネル強度の問題がなければ地下で複々線になっていたかもしれない区間だ。一緒にトンネル工事をしたのだから。
このような事例があるので、九段下ももしかしたら、このような事例ではないのか?という気がしないでもない。建設時期にしても「壁一枚」という事実からしてもまとめて工事をしていなければおかしい。
見える事実でなく、残された工事記録を当たるべきではないかな、と思うのであるが。
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