都電の思い出

まだ中学生の頃。免許もないしスーパーカーブームも去り、F1は鈴鹿の日本GP開催前、自動車やバイクには興味もなく鉄一本でした。

そんなある日、鉄友達にさそわれて都電荒川車庫に写真撮影に行きました。狙いは「6152」。当時は愛称も何もなくただそう呼んでました。その後、「一球さん」として復活・活躍し、今は荒川遊園地で保存されているあの車両です。当時は荒川車庫の片隅に放置されていました。

それを車庫の敷地の外から柵越しに撮影していたのです。事前の許可や約束は取っていないのでそれが精一杯の行為でした。するとそれを見ていた職員の一人が声をかけてくれ、中に入れてくれたのです。

目の前で写真撮影をさせてくれたばかりか、物置になっていた車内にも入れてもらえ、もちろん写真は撮り放題。ネガはともかくプリントは残っているはず。当時の記録・思い出として、本当にいい経験をさせてもらいました。

いい時代だったと思います。現場の判断でこういった対応をしてもらえ、また撮影をする人間も限られているので遠慮気味だったり、鉄道事業者への感謝を忘れていなかった。写真撮影だって、フィルム代、現像代を絞り出すように用意していたのでシャッターを切るのは本当に真剣勝負でした。

ある種のブームがきていていろいろといい面もあるけれども、制限が厳しくなったり、マナーが低下してきたりしているのは、寂しい気がする。

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